「どうすればよい学級にできるだろう…」
先生であれば必ず通る学級経営の悩みだと思います。
「生徒同士の絆をつくる」とか「安心できる居場所をつくる」とか言われますが、
そんなの簡単にできないですよね。
僕もどうすればいいか、最初は全く分かりませんでした。
そこで、『生徒指導リーフLeaf.2 「絆づくり」と「居場所づくり」』の要点解説をしていきます。
「生徒指導リーフって何?」
生徒指導に関する問題点や疑問点などにスポットを当てて、解説や提案をしている生徒指導資料です。国立教育政策研究所から発行されています。
ただ、残念ながら先生方にあまり浸透していない印象があります。
そのうえ読んでも、何をどうしたらいいかが分かりにくいです。
国立の機関が生徒指導の方針を示しているので、少なくとも公的に認められている内容になっています。
そんな生徒指導リーフLeaf.2『「絆づくり」と「居場所づくり」』を、シチサン目線で解説します!
- 「絆づくり」と「居場所づくり」の違い
- 「絆と居場所をどうつくるのか」と思うあなたが今やるべきこと
- シチサン(生徒指導に関するブログを書いています)
- 小・中学校教員経験6年、生徒指導主事経験3年
- 現在は民間企業でB to B営業職
生徒指導リーフの内容を受けて、
それで、何をすればいいんですか?
という先生へ、最後に具体的に何をやるべきか、ということも共有しています!
ぜひご参考にしてみてください!
生徒指導リーフLeaf.2『「絆づくり」と「居場所づくり」』は、要所で不登校防止の観点で書かれているところが見受けられます。
ただ、直接的に不登校防止を目指すことを明記されていません。
そのため本記事では、学級経営に重点を置いて解説しておりますので、その点ご理解ください。
「絆づくり」とは?「居場所づくり」とは?
絆づくり
- 児童生徒がつくるもの
- 子どもたちが共同的に活動しながら絆をつくること
居場所づくり
- 先生がつくるもの
- 子どもたちが安心して自己存在感や充実感を感じられる場をつくること
「絆」は子どもたち自身でつくるもの。
「居場所」は先生がつくるもの。
誰がつくるのか、これがこの2つの言葉の最大の違いになります。
さらに、生徒指導リーフの中身を深堀りして、
- 絆づくりのための場づくりが大切
- 居場所づくりの学級経営
- 「絆づくり」と「居場所づくり」は別の取り組み
について解説していきます!
絆づくりのための場づくりが大切
絆づくりは「してあげる」や「させる」という発想をしてはいけません。
つまり、絆は先生がつくってあげられるものではないんです。
じゃあ何もできないじゃないですか!
だからと言って、何もせず、指をくわえて絆ができることを待つワケにはいきませんよね。
ここで大切になることが、絆づくりのための場づくりです!
【絆づくりの場づくり】
日々の授業や行事などにおいて、全ての子どもたちが活躍できる場面を実現させること。
授業で小グループ発表をしたり、体育祭や文化祭で活躍する場を用意してあげるイメージですね。
ただ、あくまで「場」づくりです。
どれだけ子どもたちが絆を深め合えるような仕掛けができるか、ということが大切です。
居場所づくりの学級経営
学級や所属している所は、子どもにとってどれだけ安心できる場になっているでしょうか?
安心できる場にするために、心の居場所という考え方があります。
【心の居場所】
自己が大切にされている、認められている等の存在感が実感でき、かつ精神的な充実感がある状態。
子どもに言葉をかける時に、大切にしていることや認めようとしていることは伝わっていますか?
全身でそれを伝えて、学級をどの子どもにとっても落ち着ける場所にしていくことが、居場所づくりに繋がっていきます。
「絆づくり」と「居場所づくり」は別の取り組み
居場所づくりの取り組みの例は、次のようなものです。
- 課題を抱えている子どもに寄り添う
- 人間関係に悩む子どもの相談にのる
- 間違いや失敗をしても笑われない学級にする
これら居場所づくりの取り組みが、安心感を育んでいきます。
この安心感があることで、絆づくりをしやすい環境が生まれます。
つまり、「居場所づくり」は「絆づくり」の前提になるんです!
「絆づくりの場づくり」と「居場所づくり」を進めていきましょう。
これによって、子どもたち自身の自発的な思いや行動が湧きおこります。
それが「絆づくり」に繋がっていきます。
ここまでが、生徒指導リーフに記載されている内容です。
正直に言うと、
生徒指導リーフ原文は「絆づくり」と「居場所づくり」は違う、ということに重点を置いて書いています。
これでもかって言うくらいに。
そのため、ここまでシチサンの解釈たっぷりになっていることをお許しください。
さて。以下からは、この内容をもとに、何をやるべきかシチサン的に解説します!
「絆と居場所をどうやってつくるのか」と思うあなたが今やるべきこと
それで、まず何をすればいいんですか?
ここまでは「絆づくり」と「居場所づくり」についてお話してきましたが、ここからは何をやるべきかお話します!
やるべきことは次の2つです!
- 居場所づくりのために
失敗した子どもに「ナイストライ!」と声をかける。
- 絆づくりのために
子ども同士で一緒にトライできる課題を用意する。
一つずつ解説しますね。
失敗した子どもに「ナイストライ!」と声をかける
居場所づくりに最高の言葉があります。
それが、「ナイストライ」です!
「ナイストライ」は、すっっっっごくいい言葉です!
なぜなら、言われた側は、失敗を挑戦として認められている印象を受けるんですよね。
そんな言葉をかけてくれる環境はすごく居心地がよく、前向きな気持ちになれます。
ちなみに、「ドンマイ」は、なぐさめ・同情の印象を受けます。
シチサン的には、ですが。
なので、「ナイストライ!」を合言葉にして、いろんな失敗をさせてあげましょう!
前向きに何でもトライしていると、自然と居場所ができていきます。
これが「絆づくりの場づくり」に繋がります!
あなたは失敗を笑うような先生には絶対にならないでください!
【失敗を笑う環境のデメリット】
失敗を笑っているその人の周囲は、失敗できなくなる。
失敗するような挑戦もしなくなる。
自然と居心地が悪くなる。
失敗を恐れているので、成功体験をする可能性が少なくなっていく。
子ども同士がトライできる課題を用意する
絆づくりの場づくりとして、
絆を深め合えるような仕掛けができるか、ということが大切です。
どんなことでもいいので、協力し合えるような刺激を仕掛けたいですね。
絆を深め合えるような仕掛けの例は、次のようなものです。
- 授業で、知恵を寄せ集めながら応用問題を解かせる
- 行事で、協力すれば達成できる丁度よい目標に向かって活動させる
- 帰宅後の家庭ゲームで、子ども同士が協力プレイでランキング上位を目指すよう促す
いやいや、家庭ゲームで絆が深まるんですか?
絆が深まる可能性は十分にあります!
絆づくりを目的にするならば、家庭ゲームで協力することは手段として有効です!
もちろん、程度は考えなくてはいけないですけどね。
何かを子ども同士で前向きに取り組んでいるなら、それはとても素晴らしいことです。
子どもたちが失敗しながら、目指した成功を協力して掴んだ時、絆はより強くなるものだと思います。
目の前の子どもたちは、どんな課題にトライすれば絆が深まりそうですか?
ぜひ仕掛ける課題を考えてみてください。
まとめ:まずは「居場所づくり」に集中!
「絆づくり」と「居場所づくり」の違いは次のとおりです!
絆づくり
- 児童生徒がつくるもの
- 子どもたちが共同的に活動しながら絆をつくること
居場所づくり
- 先生がつくるもの
- 子どもたちが安心して自己存在感や充実感を感じられる場をつくること
そして、「絆づくり」と「居場所づくり」のポイントについて解説しました。
- 絆づくりのための場づくりが大切
- 居場所づくりの学級経営
- 「絆づくり」と「居場所づくり」は別の取り組み
じゃあ何をすればいいの?って思う先生へ、まずやるべきことは次の2つです!
- 居場所づくりのために
失敗した子どもに「ナイストライ!」と声をかける。
- 絆づくりのために
子ども同士で一緒にトライできる課題を用意する。
繰り返しますが、絆は先生がつくってあげられるものではありません。
だからこそ、まずは居場所づくりに集中して生徒と関わりましょう!
子どもたちにとって安心できて刺激のある学級は、どんどん活力がみなぎってきます!
その学級は先生が子どもと一緒につくっていくものです!
ぜひ、先生が居場所を、子どもたち自身で絆を、両方が作り上げられるような学級を目指してみてください。
きっと、子どもにとって忘れられない居心地の良い学級になることでしょう!
参考になったら嬉しいです!
読んでくれてありがとうございましたー!