好き嫌いの多い子どもがいつも給食を残して困ります。
嫌いな食べ物が給食で出たらどうしたらいいんだろう?
本記事では、好き嫌いする子どもについてシチサンの対応を紹介します!
- 好き嫌いで給食を食べない子どもをどう指導すればいいか
- 嫌いな食べ物を食べさせることは何がよくないのか
- シチサン(生徒指導に関するブログを書いています)
- 小・中学校教員経験6年、生徒指導主事経験3年
- 現在は民間企業でB to B営業職
子どもたちって好き嫌い多いですよね。
子どもが嫌いな食べ物を目の前にした時、全力で嫌な顔をする子もいますよね。
嫌いな食べ物を食べてほしい、食べられるようにしてあげたい、と思っている先生も多いのではないでしょうか。
ただ、これが大変ですよね!
嫌いなものを克服しようとしているわけなので、簡単ではありません。
この記事では、好き嫌いのある児童生徒や学級の対応についてまとめました。
ぜひご参考にしてみてください!
給食で好き嫌いが多い児童生徒はどうすればいい?
嫌いな食べ物を食べなくてもいいんですか?
いいです!全く問題ありません!
もうここ近年では、さすがに無理やり食べさせたり、いつまでも給食とにらめっこさせたりする先生も少なくなりましたね。
でも、好き嫌いしている子どもを見ていると、なんとか克服させたいと思ってしまいませんか?
そのお気持ちは素晴らしいと思いますが、逆効果になる可能性があります。
なぜ、シチサンが嫌いな食べ物を食べられなくてもいいと考えているか。
次にいきましょう!
嫌いな食べ物を食べられなくてもいい3つの理由
嫌いな食べ物を克服しようとしてもそんなにいいことはありません!
給食=『嫌いな食べ物を押し付けられる時間』になってしまうから
食べ物に限らず、誰でも何かしら嫌いなものや苦手なものってありますよね?
それを「大丈夫、大丈夫!」って押し付けられても、イヤになるだけです。
嫌いなものを食べさせられる子どもからしたら、まさにそれです。
給食が『嫌いな食べ物を押し付けられる時間』として認識されやすくなります。
給食に対して非常にネガティブな印象を与えてしまいますよね。
その結果、より嫌いになる理由を強めていくことになり、子どもにとって一つもいいことはありません。
食べ物に対するありがたみが無くなるから
『嫌い』ということは、子どもは『美味しくない』と感じているはずです。
美味しくないわけですから、嫌々食べたり、残したりします。
そんな給食の食べ物を『ありがたい』とは思えないですよね。
子どもが「こんなの食べられない!」って言ってると、まず『ありがたい』と思っていません。
その状況では、無理やり食べさせることは拷問に近いです。
(どれだけ先生が美味しいと感じる食べ物であっても)
その瞬間、絶対に『ありがたい』と感じることはありません。
給食指導のせいで、給食のありがたみが無くなるのでは本末転倒ですよね。
大人になったら嫌いなものを食べなくても問題ないから
「大人になってもこれを食べられなかったら恥ずかしいよ!」って言ってませんか?
そもそも、大人になったら嫌いな食べ物ってわざわざ自分で食べないですよね?
子どものうちに学ぶべきは、
- 食べられそうか、そうではないか
- どれくらいの量を食べるか
の判断を自分でできることの方が大切だと思います。
ちなみに大人になって、そんなに嫌いな食べ物に遭遇しないと思います。
誰かと食事するとき、意図せず注文したものに嫌いなものが入っている可能性があるくらいです。
その時に食べられないからと言って、恥ずかしいと思われることはそんなにないですよね。
むしろ、その食べ物が苦手なことも一つの個性です。
苦手な食べ物の話題って、それぞれ個性があるから盛り上がりますよね。
好き嫌いする児童生徒へ具体的な対応2ステップ
好き嫌いする児童生徒の対応と、学級全体の対応をそれぞれ紹介します!
食べられるのか、どれくらいの量か子ども自身で判断する
理由の3つ目に書いたとおり、子ども自身で判断することが大切です。
繰り返し、子どもたちで判断して食べるようにしていきましょう。
判断は4つで分類し、対応の仕方は次のとおりです。
・食べられる | ← 対応の必要なし |
・少しだけ食べられる | ← 量を少なく調整する |
・嫌いだけど食べられるかもしれない | ← 一口だけトライしてみる |
・無理、食べられない | ← 嫌いなものを避けても無理そうなら諦める |
1つずつ簡単に解説しますね。
食べられる
こちらはもちろん、対応の必要はありません。
もりもり食べさせてあげてください!
少しだけ食べられる
量の調整をすることによって、全部食べられるようにします。
「減らしてほしい」はワガママではありません。
適切に食べられる量を主張しているだけなので、応えてあげるべきだと思います。
嫌いだけど食べられるかもしれない
「食べられるかもしれない」という判断が、子どもにとって1番難しいと思います。
この場合、1口だけトライさせてみましょう!
食べてみて、やっぱり食べられないなら仕方ありません。
トライしたことを、褒めてあげましょう!
食べられなかったことを責めてはダメですよ。
もし問題なく食べられたなら、次回から少しずつ量を増やしてみることを提案しましょう!
プチトマトや梅干しなど、1個以下に少なくできないものは、1口だけトライすることはかなり難しいです。
もし子どもに協力できるなら、小さくカットしてみるといいですが、大変になるので、あまりおススメはしません。
無理、食べられない
「どうしても無理、生理的に受け付けない」というメニュー(食材)もありますよね。
そんなメニューの場合は「これは食べられない」と判断しても仕方ないと思います。
食べられないメニューは、もう皿に乗せなくて問題ありません。
お皿に乗せてしまうと、子どもにプレッシャーを与えるうえに、高い確率で残すからです。
保護者には、状況と指導方針を伝えておきましょう。
「このメニュー(食材)が嫌いで食べられないようです。
なので、今はそのメニューの時は避けています。
無理に食べさせて、給食そのものがイヤになってはいけないと考えているからです。」
判断は毎回同じとは限りません。
たいていの場合、給食は数か月もあれば、同じメニューがあるはずです。
その度に、子ども自身で考えさせてあげましょう。
先生が、食べるか食べないかの判断をしないようにすることが大切だと思います。
食べられる児童生徒と協力して学級全体で完食を目指す
食べられない子どもがいた場合、給食がその分余りますよね。
それは、食べたい子どもがもりもり食べればいいんです!
これについては、ほとんどの先生がそうされていると思います。
ただ、余るから食べるだけではありません。
大切なのは、誰かが食べられなくても、フォローする学級を目指していくことです!
他のメニューでは、別の子どもが食べられないかもしれません。
でも、その代わり、また別の子どもがきっと食べてくれます。
学級全体でフォローしながら完食を目指していると、好き嫌いを責める子どもはほぼいなくなります。
その結果、みんなハッピーに給食の時間を終えることができます。
食べられない子、代わりに食べる子、完食できる学級、学級で協力して食べている様子を見届ける先生。
そんな学級を目指していきたいですね!
まとめ:給食でイヤな思いをする児童生徒をなくそう!
給食指導として、好き嫌いで食べられない児童生徒にどう指導すればいいか解説しました!
嫌いな食べ物については食べられなくてもいい!
食べられなくてもいい理由は次の3つ!
- 給食=『嫌いな食べ物を押し付けられる時間』になってしまうから
- 食べ物に対するありがたみが無くなるから
- 大人になったら嫌いなものを食べなくても問題ないから
具体的な対応は次の2つ!
- 食べられるのか、どれくらいの量か子ども自身で判断する
- 食べられる児童生徒と協力して学級全体で完食を目指す
シチサンも子どもの頃、トマトが嫌いで食べられませんでした。
先生に無理やり食べさせられて、泣きながらもどしていた記憶があります。
当時は給食がイヤな時間になってましたね。
今の子どもたちは、先生方の理解のおかげでそういった思いをせずに済んでいます!
きっと、給食でイヤな思いをしている子どもも少ないのではないでしょうか。
あなたの目の前の子どもたちはどうですか?
もし、給食でイヤな思いをしている子どもがいるならば、ぜひご参考になさってみてください。
読んでくれてありがとうございましたー!