「生徒指導って、何ですか?」
と聞かれたら、先生は何と答えますか?
正直、さっと回答することは難しいと思います。
なぜなら、生徒指導の意味がどこからどこまでを指すのか非常にあいまいだからです
叱ることだけを指しているわけではないですよ。
そこで、『生徒指導リーフLeaf.1 生徒指導って、何?』の要点解説をしていきたいと思います。
「生徒指導リーフって何?」
生徒指導に関する問題点や疑問点などにスポットを当てて、解説や提案をしている生徒指導資料です。国立教育政策研究所から発行されています。
ただ、残念ながら先生方にあまり浸透していない印象があります。
そのうえ読んでも、何をどうしたらいいかが分かりにくいです。
国立の機関が生徒指導の方針を示しているので、少なくとも公的に認められている内容になっています。
そんな生徒指導リーフLeaf.1『生徒指導って、何?』を、シチサン目線で解説します!
- 生徒指導とは何か
- どんなことが生徒指導なのか
- 生徒指導って何?と思うあなたが今やるべきこと
- シチサン(生徒指導に関するブログを書いています)
- 小・中学校教員経験6年、生徒指導主事経験3年
- 現在は民間企業でB to B営業職
生徒指導リーフの内容を受けて、
それで、何をすればいいんですか?
という先生へ、最後に具体的に何をやるべきか、ということも共有しています!
ぜひご参考にしてみてください!
生徒指導とは?
- 社会性の育成
- 社会に受け入れられる自己実現
これらを願って、子どもたちの主体的な発達を支援し、自分らしく生きる大人へと育つための働きかけの総称を『生徒指導』と言います。
もう少し具体的に説明します。
- 社会性の育成
子どもたちが学校生活の中で、よりよい生活や人間関係を築く能力を獲得していくこと。
- 社会に受け入れられる自己実現
獲得した能力を発揮することで、自己実現を図りながら、自己の幸福と社会の発展を追求していく大人になること。
シチサン的にまとめると、次のように生徒指導を解釈しています。
子どもそれぞれがよりよい生活や人間関係を考え、自分らしく生きて、幸せを感じられる前向きな人生を送るために、先生が支援をすること。
先生方は『生徒指導』をどう捉えられていますか?
「社会性」・「自己実現」・「自己の幸福」はいろんな解釈があったり、人によって考え方が違うので、実ははっきりとした正解がありません。
少なくとも、生徒指導=叱りつけて言う事を聞かせる、ではないことが分かりますね。
日頃行われる生徒指導の例
子どもたちの発達を支える働きかけの多くは生徒指導にあたります。
以下を指導することは、全て生徒指導です。
生徒指導と一言に言っても、とても幅が広いです。
- 登校時、授業時のあいさつをする
- 正しい姿勢で学習する
- 教師や子どもたちの話に耳を傾ける
- 獲得した知識をどう活用すればよいか考える
- 言動や生活態度を見つめなおす
- 友人関係について考える
- 将来のために何をすべきか考える
- 周囲に迷惑をかけてしまう子どもに社会適応を図る配慮をする
- 自身のことや人間関係で悩む子どもを前向きに支える
- 学習を妨げたり、約束を守らなかった場合は厳しく注意する
- 問題を回避できるよう促す
- いじめや暴力行為の対応をする
- 休みがちな子どもへの対応をする
普段から行っている子どもたちへの働きかけが、実は生徒指導なんです。
そこで大切になるのが、次のことです。
生徒指導は、意図的かつ計画的に
生徒指導が日頃当たり前に行われているんですよね。
だからこそ、次のように自然となんとなくの対応になっていってしまいます。
- 気が付いた時に指導している
- 気になる児童生徒には指導してきた
- 一部の先生が責任をもって指導する体制になっている
これらを防ぐために、意図的かつ計画的に生徒指導をしなくてはいけません。
【意図的】
生徒指導を行っているという明確な自覚のもとに、適切に働きかけを行っていくこと。
【計画的】
全ての児童生徒に対して、働きかけが十分になされ、成果が現れているか確認しながら日々取り組むこと。
この意図的かつ計画的な生徒指導を実現するために、次の2点が重要とされています。
- 望ましい大人へと成長するための働きかけを考え、その実現に向けて生徒指導を計画的に行う。
- 臨機応変に行われる働きかけでも、同じ一つの方向性で指導する。
ここまでが、生徒指導リーフに記載されている内容です。
以下からは、この内容をもとに、何をやるべきかシチサン的に解説します!
生徒指導って何?と思うあなたが今やるべきこと
それで、まず何をすればいいんですか?
ここまでは生徒指導についてお話してきましたが、ここからは何をやるべきかお話します!
やるべきことは次の3つです!
- 「望ましい大人」を決める
- 学校の特色や強みを把握しておく
- 目の前の児童生徒に話しかける
一つずつ解説しますね。
「望ましい大人」が何か決める
あなたにとって「望ましい大人」とは何ですか?
言い換えると、「子どもをどのような人へ育てたいか」です。
これを決めないと、場当たり的な生徒指導になってしまいます。
ちなみに、シチサンが思う「望ましい大人」は「誰かのために、何より自分のために生きられる人」です。
初心を振り返り、今、決めてみてください。
それが決まれば、あなたの生徒指導としての働きかけの方針が定まってきます!
日が経って考えが変われば、それはそれでOKです。
その時は、アップデートした「望ましい大人」を決めましょう!
やりがちな失敗は、先生の価値観を押し付けてしまうことです。
「こうしなくてはならない」ではなく、「こうだったら素敵だな」の感覚で決めましょう。
学校の特色や強みを把握しておく
それぞれの学校で、特色や強みがありますよね。
それは、学校にとっても子どもにとっても大切なものです。
把握する内容は大まかで構いません。
地域文化・行事・挨拶・ボランティアなどの単位でいいです。
先生も、その特色や強みを把握しておけば、大切なことを共有した状態で指導に当たれます。
これが、同じ方向性の指導に繋がります。
目の前の児童生徒に話しかける
普段から行っている働きかけが、実は生徒指導である、とのことでしたね。
ということは何度も会話をして働きかけの機会が増えれば、それだけ生徒指導のチャンスが増える、ということです。
その子どものことを知り、一緒に考えたり行動したりする中で、支援していくことができます。
些細なことでも、それが前向きに人生を送るきっかけになるかもしれません。
あなたも子どもの頃、先生との会話で前向きになれたことはありませんか?
ぜひ、目の前の子どもに話しかけて、前向きな人生を送るお手伝いをしてあげてください!
まとめ:あなたにとって望ましい大人を目指すための生徒指導をしよう!
シチサン的には生徒指導を次のように解釈しています!
子どもそれぞれがよりよい生活や人間関係を考え、自分らしく生きて、幸せを感じられる前向きな人生を送るために、先生が支援をすること。
そして、意図的かつ計画的な生徒指導を実現するために以下の2つが大切になります。
- 望ましい大人へと成長するための働きかけを考え、その実現に向けて生徒指導を計画的に行う。
- 臨機応変に行われる働きかけでも、同じ一つの方向性で指導する。
じゃあ何をすればいいの?って思う先生へ、まずやるべきことは次の3つです!
- 「望ましい大人」を決める
- 学校の特色や強みを把握しておく
- 目の前の児童生徒に話しかける
生徒指導は、子どもと関わる中で、どんどんできるようになっていきます!
大変な指導の機会も必ずありますが、その時は絶対に生徒指導力がアップします。
そうすれば積み重ねていくうちに「望ましい大人」へと指導ができるようになってくるはずです!
そして、少しずつ指導がスムーズになるといいですね!
参考になったら嬉しいです!
読んでくれてありがとうございましたー!