「上手だね」と褒めることは良くないと聞きます。「上手になったね」と褒めることも同じじゃないんですか?何が違うんですか?
本記事では、「上手」という言葉のよりよい褒め方を紹介します!
- 「上手だね」と「上手になったね」はどう違う?
- 「上手になったね」の効果3選
- 「上手だね」ってウソの時ありますよね?
- 褒め方は多種多様
- まとめ:「上手になったね」と言ってあげて!
- シチサン(生徒指導に関するブログを書いています)
- 小・中学校教員経験6年、生徒指導主事経験3年
- 現在は民間企業でB to B営業職
「上手だね」という機会はたくさんあると思います。
ですが、むやみに「上手」と褒めることは良くない、ということも聞いたことがある先生も多いのではないでしょうか。
僕は「上手になったね」という褒め方であれば、どんどん使っていいと思っています。
実際に、褒められた生徒の反応もさらに努力する様子も多く見られました。
この記事では、そんなすぐ使える「上手になったね」の効果をまとめました。
ぜひご参考にしてみてください!
「上手だね」と「上手になったね」はどう違う?
言葉は似ていますが、生徒の受け止め方は全然違います!
褒める対象はそれぞれ、
- 「上手だね」は、成果のみ
- 「上手になったね」は、過程と成果の両方
過程も含むことで、さらに様々な効果が生まれます!
言葉を言い換えるだけなので、すぐできます!
「上手!」と言われると嬉しいですよね!
これは大人でも子どもでも同じだと思います。
ただ、「上手だね」はその点のみの評価
「上手になったね」は過去も含むので、生徒からすると
え!?すごくよく見てくれてる!
と、より感情が動かされます。
ただ上手になる前の生徒から、その過程を見てあげる必要があります。
そうして初めて、「上手になったね」と言えるはずです。
よく知りもしないのに「上手になったね」と言ったら「は?」となります。
過程を把握してから使うようにしましょう!
生徒の様子を見ながら、「上手になったね」と言える関係を築けるといいですね。
「上手になったね」の効果3選
褒める内容によっては3つ以上あるかもしれません。
本記事では、僕が実際に感じた主な効果を紹介していきます!
生徒が成長を感じられる
上にも書いたとおり、「上手になったね」の言葉には過程が含まれます。
つまり、下手だったところから、先生が応援してくれていて、上手になってきたところを褒めてくれるんですよ。
生徒にとってドラマがそこにはあります!
それは生徒は嬉しいですよね!
僕が生徒なら10年は褒められたことを覚えておきますね!
さらに、レベルが上がっているという成長を感じる効果があります。
レベルが上がったことを褒められたわけですから、どんどんレベルを上げていきたいという成長意欲にも繋がりますよね。
なので、成果も大切ですが、成長を褒めることに大きな価値があると感じています!
承認欲求ではなく自己肯定
「上手だね」はいわゆる「いいね👍」です。
みんなSNSで「いいね👍」欲しいですよね!
これは周囲の人たちから認められたいという、承認欲求の表れだと言われています。
生徒を褒めることも同じです。
「上手だね」と褒めてしまうと、その成果を「褒めて褒めて!」と先生に褒められることが目的になってしまいます。
そして、褒められなくなれば、成果が出たその行動も辞めてしまいます。
小学生のうちは特に気をつけてください。
うかつに「上手だね!」と褒めると、承認欲求が一気に満たされる気持ちよさに取りつかれてしまいます。
一方、「上手になったね」は違います。
レベルが上がったことを褒められることによって、次の自己肯定が働きます!
- 努力から自信が生まれる。
- 自分の成長に目を向けることができる。
- 成功経験を積むことができる。
さらに頑張ろうという気持ちが生まれてくるんですよね。
成長しているところに「上手になったね」と褒めてあげることで、生徒が自信をもって突き進んでいくことができます!
努力しやすくなる
「上手だね」と褒められると、次も褒められたいと思って行動することがあります。
つまり、先生に褒められることを目的にして行動するようになるんですよね。
このような、誰かの評価のために行動することを『客観的理由』といいます。
先生が褒めなくなってしまうと、行動する理由がなくなってしまうのです。
一方で、「上手になったね」と褒められると、これまで解説したとおり成長意欲に繋がります。
そして、「より上手になるにはどうすればいいだろう」と次のレベルに上がろうという気持ちが生まれます。
つまり、努力するモチベーションが保たれるんですね!
このような、自分がしたいことのために行動することを『主体的理由』といいます。
自分のレベルアップに目を向けているわけです。
継続的に努力することで、よりよい成果を生み続けることができるはずです!
「上手だね」ってウソの時ありますよね?
教員している間、ずっと思ってたんですけど、
「上手だね」ってウソの時ありますよね?
百歩譲ってウソじゃないにしても、本心ではない時ありますよね?
でも仕方ないことかもしれません。
それは、「上手」という言葉は、必ず何かと比較しているからなんです!
「上手だね」は、正しくは「(○○と比べて)上手だね」となります。
比べる対象にもよりますが、なかなか本心で「上手だね」と言えないのではないでしょうか。
「上手になったね」の比較対象は、過去の生徒の姿です!
なので、多くの場合「上手になったね」はウソがないはずです。
もし下手になっているなら「上手になったね」と言ってはダメです。
すごく変な空気になります。
やっぱりウソはよくないですね。
褒め方は多種多様
今回は「上手」という言葉にスポットを当ててみました。
タイミングや状況や環境、内容によって褒め方はたくさんあるし、また悩みますよね。
褒められることが目的とならないような、褒め方をぜひ考えてみてほしいと思います!
まとめ:「上手になったね」と言ってあげて!
「上手だね」と違って、「上手になったね」は生徒の成長に目を向けた褒め方である、という解説をしました。
「上手になったね」の効果が次の3つです!
- 生徒が成長を感じられる
- 承認欲求ではなく自己肯定
- 努力しやすくなる
個人的には「上手だね」ってウソっぽいという話もしました。
あなたはどう思いますか?
ぜひ、生徒の努力を陰ながら応援して、よきタイミングで「上手になったね」と褒めてあげてください!
より生徒が成長意欲をもって行動することを祈っています!
参考になったら嬉しいです!
読んでくれてありがとうございましたー!