自尊感情が大事と聞きますが、自己有用感も同じような意味ですか?
違うとしても、その違いが分かりません。
言葉の雰囲気は近いですが、意味は違います!
どちらかと言えば、より育てたい方は自己有用感です!
『生徒指導リーフLeaf.18 「自尊感情」?それとも、「自己有用感」?』の要点解説をしていきます。
「生徒指導リーフって何?」
生徒指導に関する問題点や疑問点などにスポットを当てて、解説や提案をしている生徒指導資料です。国立教育政策研究所から発行されています。
ただ、残念ながら先生方にあまり浸透していない印象があります。
そのうえ読んでも、何をどうしたらいいかが分かりにくいです。
国立の機関が生徒指導の方針を示しているので、少なくとも公的に認められている内容になっています。
そんな生徒指導リーフLeaf.18 「自尊感情」?それとも、「自己有用感」?を、シチサン目線で解説します!
- 自尊感情と自己有用感の違い
- 「自尊感情と自己有用感を高めるために、まず何をしたらいいのか」と思うあなたが今やるべきこと
- シチサン(生徒指導に関するブログを書いています)
- 小・中学校教員経験6年、生徒指導主事経験3年
- 現在は民間企業でB to B営業職
生徒指導リーフの内容を受けて、
それで、何をすればいいんですか?
という先生へ、最後に具体的に何をやるべきか、ということも共有しています!
ぜひご参考にしてみてください!
「自尊感情」も「自己有用感」のどちらも大切!
- 自尊感情
自分に対して肯定的な評価を抱いている状態
- 自己有用感
自分が他者にとって有用であると肯定的な評価を抱いている状態
「自尊感情」を高めながら、「自己有用感」を育むチャンスを狙うことが大切になります!
どちらも肯定的ということは、どちらも自分自身を認める気持ち、ということですか?
そのとおりです!
ただ言葉が違うように、自分自身をどのように評価するのか、考え方に違いがあります。
では、
- 自尊感情
- 自己有用感
について、解説していきます!
自尊感情は自己評価が中心
大人が子どもを褒めることで、自信をつけていく。
その自信が自己評価につながり、「自尊感情」が高まる。
ただ、子どもを褒める機会を増やせばいいというわけではない。
褒めることは、教育していく中で超重要ですよね。
ですが、褒め方を間違えると、効果がなかったり、逆効果になったりします。
- 何でも褒めてしまった結果、子ども自身が過剰評価してしまう。
- 表面的なお世辞では、自己評価に変化はない。
- 先生の基準で一定以上の水準を超えた場合に褒めることにすると、一切褒められない子どもが出てくる。
自尊感情を高めるためには、褒め方を意識しなくてはいけないんです。
褒めるにしても、「認めること」を意識することが大切になります!
「褒められたい」と思っている子どもの心の中に、「認められたい」という気持ちが存在していることが多いです。
この「認められたい」に応える褒め方をすることで、自尊感情が高まります。
- 成果と一緒に、子どもの基準に合わせて、努力したり工夫したりしたことを褒める。
- 目標に対して、どこまで達成できたのかを評価する。
- 子どもの実際の行動を見て、どうだったか伝える。
「認められる」ことによって生まれた自尊感情は、子どものそれからの生活の支えになります。
「すごいね、上手だね」だけの褒め言葉にならないようにしなくてはいけませんね。
自己有用感は他者評価が中心
「自己有用感」は、他人の役に立つことや喜んでもらえたことによって、生まれる。
他人から評価された結果、最終的には自己評価につながることがポイント。
自尊感情と比べると、自己有用感の方がより重要な感覚であると言えます。
なぜかと言うと、社会から切り離せない他者の存在が関わってくるからです!
次の図のように、自己有用感は、他者が評価することで、自己評価が高まることを指しています。
自己有用感を高めることによって、自尊感情も育まれるんです。
そのため、子どもが他者の役に立つ場面を用意することが大切になってきますね。
「自尊感情と自己有用感を高めるために、まず何をしたらいいのか」今やるべきこと
それで、まず何をすればいいんですか?
ここまでは生徒指導リーフの内容についてお話してきましたが、ここからは何をやるべきかお話します!
自尊感情と自己有用感を高めるために、それぞれまずすべきことは、次のとおりです!
- 自尊感情
成果も工夫も具体的に褒める
- 自己有用感
「ありがとう」と言われるきっかけをつくる
それぞれ解説しますね。
成果も工夫も具体的に褒める
表面的に褒めただけでは、あまり意味がありません。
具体的にって、どんな感じで褒めればいいんですか?
コツは「会話しながら良いところの感想を伝える」です!
会話をしていると、子どもは認められたいところや褒めてほしいところを示してくれる可能性が高いです!
そこに、肯定的なよいところの感想を伝えてあげましょう!
自尊感情を高めるために、会話中に次のような言葉を使うことをオススメします!
- おー!これはどうやってできたの?
- そんなことができるんですね。
- 先生もやってみていい?
- 先生は~~のところがとても良いと思いましたよ!
過程を褒めることを近年勧められますが、成果を褒めることも超重要です!
なぜなら、社会に出れば過程よりも成果を求められるからです。
ぜひ会話をしながら、よいところと成果を具体的に褒めてあげてください!
「ありがとう」と言われるきっかけをつくる
他者の役に立ったとき、そのお返しに「ありがとう」をもらうことができます。
この「ありがとう」の積み重ねによって、自己有用感が育まれるんです!
「ありがとう」を言われるために、次のようなきっかけづくりをしていく必要があります。
- 授業で教え合う取り組みをする。
- 授業準備に子どもに荷物を持ってもらう。
- 誰かの役に立つことを考えて、係の仕事をさせる。
- 何かしてもらったら「何ていうんだっけ?」と言って「ありがとう」を促す。
自然と感謝の言葉が出てくる学級は、支え合う良い雰囲気が生まれます。
そうなると、学級のみんなの自己有用感を育むことができます。
先生の学級はそんな雰囲気が出ていますか?
ぜひ「ありがとう」が溢れる学級にしていってください!
まとめ:子どもにとって、自分を信じられる心を育てる。そんな言葉掛けをしよう!
本記事では、「自尊感情」?それとも、「自己有用感」?について解説しました!
- 自尊感情
自分に対して肯定的な評価を抱いている状態
- 自己有用感
自分が他者にとって有用であると肯定的な評価を抱いている状態
「自尊感情」を高めながら、「自己有用感」を育むチャンスを狙うことが大切になります!
じゃあ何をすればいいの?って思う先生へ、まずやるべきことは次の2つです!
- 自尊感情
成果も工夫も具体的に褒める
- 自己有用感
「ありがとう」と言われるきっかけをつくる
先生が否定すれば、自分を信じる力を失い、
先生やみんなが肯定すれば、自分を信じられる心が育みます。
そうなれば、自尊感情も自己有用感も高まっていきます。
前向きに生きていくために、どちらもとても大切です。
ぜひ、自尊感情も自己有用感も高められる言葉掛けや仕掛けをどんどんしてあげてください!
参考になったら嬉しいです!
読んでくれてありがとうございましたー!